LiB-log

(株)LiBの代表ブログ。採用情報はコチラ→https://www.libinc.co.jp/project-casting/

節目にあたり(父親の他界とLiB創業5周年)

f:id:yosuke_lib:20190328133842p:plain
渋谷桜丘の桜の坂道。今年も綺麗!

気づいたら1年半もブログを放置していて
自分でもビックリしました。。

そして1年半ぶりに書く記事が、
この内容という事に、自分が一番驚いています。

会社の役員&社員や、
近しい人たちだけにはご報告していたのですが

先日の2019年2月13日に、
最愛の父親が容態急変し他界しました。

享年64歳という、
本当に早いタイミングでの出来事でした。

命日から四十九日が経つ今日、偶然にも
僕が創業したLiBも、起業した日から5周年を迎えます。

こうした節目のタイミングで
主に、自分の心の整理と、
闘病を支え応援してもらった方々への報告、

そして、これから見守ってくれるであろう親父に向けて
書きたいと思います。

※極々プライベートな内容となります

f:id:yosuke_lib:20190328133937p:plain
還暦のお祝い@星のや軽井沢。まだ癌の発覚前。

f:id:yosuke_lib:20190328140545j:plain

f:id:yosuke_lib:20190328140607j:plain

父親は2年前からガンを患っていました。

当初は胃がんのみの発覚で、
すぐに胃の3/4を摘出したのですが

その後に肝臓への転移が見つかり、
ステージ4と診断されたの中、
それでも前向きに闘病を続けてきました。

そして、先日ノーベル賞も獲った
奇跡の治療薬オプジーボの効果もあって、
治療自体は順調に進んでいた中、

突然の急死に、
家族一同、現実を受け止めるに時間が必要で、

何より、一番驚いていたのは
その週末にも友人とのドライブの予定を入れていた
親父本人だった思います。

f:id:yosuke_lib:20190328140648j:plain
結果的に親父と最後の食事、最後の会話となってしまったクリスマス@2018

後になって原因がわかったのですが
死因はオプジーボが非常に稀に引き起こす
副作用とのことでした。

0.4%の発生率で糖尿病を誘発するらしく、
その発生も「経過性、急性、劇性」とあり、
劇性だと3−4日程度で死に至るほど
急激な糖尿病を引き起こす、と。

父親はまさにこの劇性糖尿病を誘発してしまい、
3日前までは元気に治療が進んでいた中、
驚くほど、一瞬で他界してしまいました。

人に迷惑をかけるのを嫌がり、
カッコつけだった親父らしく、
まさにピンピンコロリという表現の通り、

介護や看病などで、
長期に誰かの負担になる事なく
あっという間の出来事で、

母も僕たち兄弟家族も、
この現実を、未だに上手に受け止めきれていません。

が、四十九日という法要は良くできていて、
残された家族が、現実と向き合い、前を向こうと
心を整理するに良いきっかけを与えてくれます。

僕も親父の命日からちょうど49日が経つこの日に
ここに想いを言葉に残して、前を向こうと思います。

f:id:yosuke_lib:20190328134145p:plain

僕は男だらけの3人兄弟で
真ん中で生まれた次男なのですが

僕の家族は、
僕が8才のタイミングで両親の離婚を経験し、
一度、家族の形が崩れています。

うちの離婚が珍しかったのは
子供3人全てを、父親が引き取った事だと思います。

僕が8歳、その時の親父は33歳でした。
親父は33歳でコブ3つを抱えるシングルパパになりました。

そして、そのタイミングで生まれ育った石川県から
親父の実家がある埼玉県に引越しをして、
祖父母、父親、3兄弟の生活がスタートしました。

f:id:yosuke_lib:20190328134237p:plain


33歳のバツイチ男性が、
コブを3つ抱えて生活をリスタートする姿は、
北の国からの吾郎さんのようで、
きっと大変だったと思います。

一方で、僕たち子供も大変でした。

幼かったので、特に大人の事情は説明されず、
首根っこを掴まれるように、
突然に引越し→転校をさせられ、
気づいたら、母親がいない生活がスタートしました。

3人兄弟の中でも、特に母親っ子だった僕は
突然、前触れもなく奪われた母親の影を求めて
連日連夜、メソメソと泣いていたのを覚えています。

f:id:yosuke_lib:20190328135609p:plain

でも、親父は圧倒的な愛情で
僕たち3人を育ててくれました。

親父は一度もサラリーマンをしたことがない
生粋の商売人/職人気質の人だったので、
世の中の常識とはだいぶかけ離れた人でした。

そのゆえ、至る所で癖がすごいのですが、
とにかく、暑苦しいほどの愛情を
まっすぐに僕たちにぶつけてくれて

時には職場に連れ出して、
時にはキャンプに連れ出して、と
子連れ狼のように連れまわされたのを覚えています。

f:id:yosuke_lib:20190328134312p:plain

f:id:yosuke_lib:20190328134357p:plain

f:id:yosuke_lib:20190328135454p:plain

大人になってから、
離婚した生みの母に聞いたことがあるのですが
離婚時に親権を協議したときに
「この人から子供を奪ったら死んでしまうのでは?」と
母親が危惧して親権を譲るほどに、
親父は3兄弟を愛してくれていたそうです。


そんな破茶滅茶な親父を温かく見守り、
母親に飢えていた僕たちを救ってくれたのが

優しい祖母と、
そして親父の再婚相手となった今の母です。

f:id:yosuke_lib:20190328134434p:plain
母、確か25歳のはず。。3コブつきのバツイチ親父をよくぞ選んでくれました。

f:id:yosuke_lib:20190328134617p:plain

f:id:yosuke_lib:20190328135241p:plain

親父とは、そんな大変な日々を
共にもがきながら生き抜いてきたので

普通の父親/息子というよりも
共に生き抜いてきた戦友」という感情があります。

僕たち兄弟が成人してからは
3人兄弟ではなく、親父が長男の4人兄弟
みたいな感覚です。

一番非常識で、一番悪ガキで
一番愛情に溢れた人が親父でした。

僕にとっては戦友でもあり兄弟でもあり、
そして何よりも「一番驚かせたい相手」でした。

f:id:yosuke_lib:20190328134818p:plain

離婚時に引き取ってくれた事、
不器用ながらも一生懸命に育ててくれた事、
そして沢山の愛情をもらった事、

これらの全てに感謝を伝える方法として
僕にとって一番のメッセージは
「親父が驚くほどに、社会で活躍する事」でした。

親父の息子は立派に育ったよ
親父の愛情はきちんと伝わったよ
親父の作品は世の中に通用してるよ

そうやって自分の人生を通じて
親父の過去を肯定したい、愛情に報いたい。

僕の人生にとって
最前列の観覧席でいつも1番に応援して欲しい人

それが親父でした。

f:id:yosuke_lib:20190328134746p:plain


ただ、ここまでハッキリ気づいたのは
恥ずかしながら親父を失ってからでした。

親父を失ったときに
今まで経験したことがない虚無感に襲われ、
「1番のオーディエンスを失った」感覚になりました。

もう誰も見てないのに、
俺はどこまで何を頑張るんだろう、と。

f:id:yosuke_lib:20190328140733j:plain
親父と赤ん坊の僕。ふてぶてしいw

でも、親父を無くしてから
毎朝、親父の分骨に祈りを捧げる日々を通じて
不思議な感覚が自分に芽生えました。

スピリチュアルな感じなのですが、
本当に近くで親父が見守っていてくれる感覚が
ハッキリとあります。

声が聞こえるような、温度が伝わるような
なんとも言えない感覚なのですが。

そうしたら、自然と親父は他界しただけではなく
僕の心と共に生きていくんだな
と思えるようになりました。

f:id:yosuke_lib:20190328141113j:plain
本当に家族が大好きで、息子3人が帰省すると張り切ってこんなメニューまで用意して料理準備しているような親父でした!笑

要するに、これからの僕の人生は
僕一人のものではなく、心の中の観客席で
親父も一緒に楽しんでくれる人生なのだと。

そう思えたら、
自然と勇気とエネルギーが湧いてきました。

f:id:yosuke_lib:20190328134943p:plain


よし!親父一人じゃ見れなかった景色を見せてやろう
親父が喜び驚くような経験を、共有してやろう!

二人分の人生を心に宿して生きていけるなんて
前の自分よりも、もっと楽しく
もっとエキサイティングだなと。

そして、親父という
エネルギッシュで破茶滅茶な人が

64歳という若さで他界した分、
その、やり残した人生を預かるので
親父のエネルギーを吸収した分、無敵になれるな!と

f:id:yosuke_lib:20190328135004p:plain

うちの親父のイメージは、
バケモノの子で出てくる「熊鉄」のイメージで、
破茶滅茶だけど愛情深いって感じで。

f:id:yosuke_lib:20190328135533p:plain

そして、熊鉄は最後に自らの身体を捨てて
付喪神(つくもがみ)という神に転生し、
大太刀に姿を変え、
九太の胸の中の剣となることで彼を守るのですが、

まさに親父も、今、姿を変えて
僕の胸の中に、最強の剣として宿ってくれている。
そんな感じがあります。

f:id:yosuke_lib:20190328135031p:plain

なので、この四十九日を持って
メソメソするのはもうやめて、

これからは親父という最強に剣を胸に、
一緒に、まだ見ぬ世界を冒険しにいきたいと思います。

LiBも創業5周年を迎えて、
経営メンバーも一新し、
まさに第二ステージの幕開けです。

これから、社会に大きな影響を発揮しにいく
勝負の拡大のフェーズなので

親父に胸をはれるような仕事を、
これからも仲間たちと実現していきます。

そして、今回の出来事で自分の中の
価値観も大きく揺さぶられました。

親父が僕にくれた愛情を
世代を超えてバトンタッチできるよう
僕も早く家族を作って、
親父の墓前に報告に行きたい、と
自然と考えるようになりました。

f:id:yosuke_lib:20190328135147p:plain

f:id:yosuke_lib:20190328135100p:plain
カッコつけの親父が喜ぶように、遺影の写真もこれにしました!

最後に。

山あり谷ありの人生を
共に一緒に戦い、駆け抜けてきた親父に。


一緒にここまで生き抜いてきたね。
普通の家庭だったら、
もう崩れてた苦難も沢山あったけど

誰よりも愛情深く、
家族をリードしてくれた親父のおかげで
全員が前を向ける素敵な家族ができました。

これからは、最前線の観客席で
家族みんなの人生を楽しみながら、
1番の応援団でいてください。

一番の心残りで心配であろう母のことは
親父が残してくれた僕たち3兄弟に任せてください。

親父、本当にありがとう!

遅かれ早かれ俺もそっちいくので
そのときは、また一緒に飲みましょう。

お疲れ様でした!!

f:id:yosuke_lib:20190328140802j:plain

f:id:yosuke_lib:20190328140819j:plain

f:id:yosuke_lib:20190328123849j:plain