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【続編】創業オーラの正体と、魔法の副作用

yosuke-lib.hatenablog.com


これの続きを書きます!

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前回は、創業タイミングにおける
ボーナスタイム(魔法)について書きました。

では、このボーナスタイム(魔法)はいつまで続くのでしょうか?


sudoken.hatenablog.com

僕のリクルート新卒同期のスドケン(KAIZENプラットフォーム社長)も
Blogでこのように書いていました。

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人によっては
創業から2年間が魔法だ、とも言います。
いや3年だ、と言う人もいます。

確かに、
創業の魔法は感覚値2〜3年なんですが、

・なぜ2〜3年で魔法が解けてしまうのか?
・その根本原因は何なのか?

先に、自分の仮説の結論を書きます。

僕は、魔法が解ける本質的な原因は
「2〜3年という期間そのもの」ではなく
「組織規模問題」にあると考えています。

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この仮説を、自分なりに説明します。

起業したコトがある人ならイメージしやすいかと思いますが、
創業してからしばらくは、

その業務のほとんどは、
いわゆる「オフェンス(攻め)」にだけ使えば良い期間がしばらく続きます。

・仲間を集める為の採用活動
・お金を集める為の調達活動
・プロダクト創り、サービス創り
・PRや広報活動

業務におけるほとんどが
事業を前に進める為の【オフェンス型業務】です。

まだ組織として人数も少なく、
実力のある創業メンバーたち+少数のメンバーぐらいしか居ないタイミングでは

細かいコトなんか気にしなくても問題は起きないし、
細かいコトを気にしているぐらいなら
お互いが背中を預けて、
自己判断でぐいぐいと事業を前に進めるようが効率的です。
(そして、そうゆう働き方の方が楽しいです)

要するに、
創業してからしばらくは
ノーガードでフルスイングでも許される
オフェンスタイム
なんです。

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でも、ある程度の規模の組織を
経営した事がある方なら分かるかと思いますが、
オフェンスだけが経営ではありません。

むしろ、
組織規模が大きくなると
ディフェンスをする時間の方が長く、

好き放題オフェンスができるなんて環境は
希だと思います。

きちんとディフェンスをする事によって
確保したオフェンスタイムを使って
効率よく攻めるのが経営だと思う
のです。

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ここまで書けばなんとなく伝わるかと思いますが、

要するに、創業からしばらくの
組織規模が30名以下ぐらいまでは、
(社長のタイプやビジネスモデルによっては50名以下)

その組織サイズが故に
ほとんどディフェンスの必要が無く
一心不乱にオフェンスだけに専念できるボーナスタイムがあるのです。

これが僕は創業の魔法の正体だと思っています。


一方、この魔法が解ける瞬間というのは
時期問題ではなく、組織問題に躓いた瞬間です。


組織の人数が増え、
オフェンスだけではなく、
ディフェンスも必要なフェースに突入したにも関わらず

その変化に気がつかず(もしくはおろそかにして)、
オフェンスだけに目を取られ、

その結果として、
組織にひずみが生まれ(モチベーションの低下や離職者の増加)、
足下をすくわれ、結果としてスピードを失う。

これが魔法が解ける瞬間だと思っています。


このタイミングが
30〜50人のいつ訪れるのか?は
ビジネスモデルや、社長の器/タイプなどによって異なるし、

その規模の組織に成長するまでに
2年かかるか、3年かかるかも、会社によって異なります。

ただ、成長しているベンチャーの場合
大体のケースで2〜3年ぐらいで
その規模に突入するケースが多いので

2〜3年で魔法が解ける、と表現されているのだと思います。

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ここからは、
LiBもまさにこれに当てはまるので
自戒を込めて書きます。

ボーナスタイムに
魔法の力を使えば使うほど、
それが解けた時の副作用は強烈だと思っています。

まさに、
スキーやスノボーで
スピードを出せば出すほど、
コケた時は派手にコケるような感じで。

ボーナスタイムをフル活用し、
ノーガードでフルスイングのオフェンスをすればするほど
事業はグングンと、はやい速度で成長します。

そして、ぐいぐいと事業が成長している
拡大の実感」は、想像以上に心地が良く、

自尊心も満たすし、
他の細かいコトも「まぁ成長してるからいいか」と
忘れさせてくれるぐらいの力があります。

この状態こそが落とし穴だと思っていて、
結果、他の細かいコト(=ディフェンス)が疎かになります


そして「拡大の魅力」によって
エンパワーメントされてきた組織は

その成長速度を失った瞬間に、
驚くほど、組織が崩れます。

今まで、全てを癒し、全ての免罪符となっていた
「成長速度」に不信が生まれた瞬間、その反作用は強烈です。


それに惹かれて入ってきたメンバーは離脱し、
それがモチベーションだったり自尊心のよりどころだったメンバーは
会社の未来に不安を憶え、モチベーションが低下し、
最悪の場合は、会社とその未来をdisり始めます。

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まとめると、

・創業の魔法の正体は、オフェンスだけに集中できるボーナスタイム
・魔法が解ける瞬間は、組織問題に躓いたとき
・30〜50人規模からは、オフェンスのみならずディフェンスも大事

というのが、僕の仮説です。

要するに、
まさに30〜50人の状態こそ、急がば回れなのだ。

攻撃こそ最大の防御、とは良く言うが、
このタイミングだけは逆だと思っていて

防御こそ最大の攻撃、だと言うのが僕の信条です。

ディフェンスこそ、スピードアップの鍵なのだ。

そう信じて、
今年は丁寧にディフェンスにも取り組んでいく所存です。

では、この辺で!